ウッドストックほど偉大なロックフェスが今後現れないように、ジミヘンのような偉大なギタリストも今後現れない。そんな伝説的な組み合わせである「ジミヘン ウッドストック」というキーワードはロックファンであれば誰もがアドレナリンを掻き立てることだろう。
多くのミュージシャンが憧れのステージにジミヘンが参加してた時代のウッドストックを挙げることだろう。
現在の多くのロックミュージシャンの少年時代のロマンに、あの頃夢見た熱狂のステージにウッドストックがあり、そのステージにはジミヘンがいる、その光景は偉大なインスピレーションを残した。
そのウッドストックのステージは大物映画監督によってドキュメント化され、その作品はアカデミーにて好評を得た。
音楽関係者だけでなく、多くの芸術家の憧れにもなっているのだ。贅沢なジミヘンのセットリストも自分の都合を無視した、オーディエンスと戦う覚悟が伺えて頼もしいものだった。
ウッドストックにてジミヘンが使用したエフェクター
ジミヘンはウッドストックのステージにてモジュレーション系のエフェクターを使用しており、この機器は彼を憧れる多くの人に売れた。
今年2014年には同類の復刻版のVIBRATO CHORUS EFFECTOR Nuvibeが発売(5万5千円)され、多くのギター好きの関心を集めている。
シンプルなエフェクターと、ムダのないステージ上。これだけジミヘンは観客達を熱狂の渦に巻き込んだ。現在の演出に依存したフェスティバルが彼のウッドストックのステージに勝つことは難しい。音で勝負し、自分の声だけで観客を煽り続けたのだ。
あれだけのカリスマ性を持つギターリストが今後登場するのか?あの時代に生きていなかった自分が残念で仕方ない。今の50代の音楽の思い出話にジミヘンとウッドストックが登場することが羨ましくて仕方なく、どうしようもない嫉妬心に壊れる。
1969年にタイムスリップすることが出来れば、自分の人生を懸けてでもウッドストックを観に行きたい。・・・今の時代、そんなことを思わせてくれるステージは誕生するのか?何でも便利になりすぎた分、年々、ロックを捉える心が弱くなってしまっている気がする。作り手も聞き手もデジタル化ありきで育てられ、そこで作られる需要と供給によって、僕らの心を血の通わないものに染めていく。
だからといって、今のミュージシャンの誰かがアナログなことをやっても、それに気づくこともできないし、余計な情報によって自分が素朴な人間になりきることを妨げられる。そうやって考える、ロックが本当に消える時代はすぐそこに来ているのだと痛感させられる。才能が稼げる方向(ポップ)にどんどん向いていってしまうのだ。
現在でもジミヘンと同じ機種のエフェクターは人気だが、
ほとんどの人が演奏スタイルまで真似するわけではない。
今の時代にジミヘンのようなサイケデリックなロックスターが誕生したら、どんなことになるのだろうか・・・・?